犬用ワクチチェックは、犬用混合ワクチンで予防している重大伝染病のうち3種類の原因ウイルス(ジステンパーウイルス、パルボウイルス、アデノウイルス)に対する「抗体」の有無を、院内で簡易的に調べられる抗体検査キットです。このキットで分かることは抗体の有無ですが、厳密に言えば免疫持続の有無とは一致しません、免疫細胞には「免疫学的記憶」という機能もあるからです。これは過去に適切なワクチン接種が行われている場合(あるいは感染歴がある場合)、再び感染刺激があった際速やかに抗体を産生し感染を防御する機能です。抗体は、ワクチン刺激やウイルスとの接触が長期間なければ少なくなっていくものですが、免疫学的記憶は簡単に失われるものではありません。しかしこれを調べる手段がないため、検査可能な抗体の有無で判定する方法がとられています。 犬用ワクチチェックは、犬用混合ワクチンの効果や追加接種の必要性を判断するアイテムの1つです。成犬の混合ワクチンに関しては、接種あるいは抗体検査という選択肢ができたことになります。混合ワクチンの接種に関しては、WSAVA(世界小動物獣医師会)のガイドラインで、幼齢期~1歳齢までは必ず接種すること、成犬になってからの接種は3年以上の間隔を空けること、が推奨されています。幼齢期~1歳齢までの接種による免疫持続期間が最短でも3年間であること、が分かっているからです。したがって、成犬に関しては、3年以内の接種や抗体検査は不要です。
※混合ワクチンに関する情報は、「健康管理」のページをご参照ください。