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伴侶動物(コンパニオンアニマル)は、一般的にはペットと呼ばれている動物たちのことです。つまり人間の生活を癒す目的のために一緒に暮らす動物たちのことを指しています。伴侶動物医療とは、そのような動物のための医療であり、動物病院は通常この分野の医療を実施しています。
伴侶動物医療では、その動物たちの病気を治したり、完全には治せない病気の場合は病気とうまく共存しQOL(生活の質)を向上させる治療を実施したり、健康を維持するための予防医療を実施したり、様々なケアを行います。
伴侶動物医療では、患者(動物)が自分でケアを求めて来院するわけではありません。そこには必ず保護者である家族(飼い主)が存在します。したがってケアを行う過程には、家族の意見や思想、またその家庭の事情なども深くかかわります。つまり家族の協力がなければよい伴侶動物医療は行えません。
家族の動物への愛情とそこに存在する絆、獣医師の獣医学的な知識・技術、家族への説明能力、家族と獣医師、動物看護師との信頼関係、動物の社会性(治療を許容できる性格かどうか)などがそろってはじめて最良の伴侶動物医療が実現するといえるでしょう。
家族の求めるケアが、その動物にとって制限要素のない実施可能なケアであるとともに、獣医学的にも最もすすめられる治療法と一致するのがベストでしょう。ただ伴侶動物医療の目的は、動物が家族と一緒に伴侶動物らしく暮らせることも目的としており、伴侶動物としての性質を奪ってしまうようなケアは、その目的に矛盾してしまう場合もあるかもしれません。そのあたりは、我々伴侶動物医療従事者と、家族との間でよく相談して決定していくことが、より良い選択につながることになるでしょう。
総合診療の流れ
一般的にはこのような流れで診断が行われます。 検査に進む必要がある場合、その旨を説明しご家族(飼い主)の同意を得てから進む形となります。その場で決定できない場合は一度相談していただいてから予約を入れていただきます。 また様々な事情により検査を選択できない場合もあるかと思いますので、その場合はどのようにしていくかご相談いただき、対応を考慮していく形になります。 ※選択する検査の内容、あるいは様々な事情により、他施設をご紹介する場合もございます。
診断結果に応じて、治療提案をします。 治療は最初から特定の病気をターゲットにしたものである場合もあるでしょうし、一時的な症状に対する対症療法の場合もあるでしょう。 特殊な治療、大がかりな治療を選択しなければならない場合、その場で決定できない場合は一度相談していただいてから予約を入れていただきます。 ただ緊急疾患で、相談していただく猶予がない場合もございます。 また様々な事情により治療選択できない場合もあるかと思いますので、その場合はどのようにしていくかご相談いただき、対応を考慮していく形になります。 ※選択した治療の内容、あるいは様々な事情により、他施設をご紹介する場合もございます。
動物病院は、今のところ人医療のような診療科別の専門診療形式ではありません。 したがって通常の動物病院は総合診療を行っております(そのなかで、病院によっては特に力を入れている分野というのを持っている場合もあります:当院については「当院の特徴」のページ参照)。 総合診療で判断すべき病態は多岐にわたります。動物にも人間と同様に様々な症状がおこります。 皮膚や被毛の異常、嘔吐下痢などの消化器症状を伴う異常、食欲の異常、咳くしゃみなどの呼吸器症状を伴う異常、呼吸困難を伴う異常、飲水の異常、排尿の異常、排便の異常、痛みを伴う異常、活動性の異常、行動の異常、歩行の異常、麻痺や痙攣など神経症状を伴う異常、外観の変化を伴う異常、触った感触の変化を伴う異常、体重の変化を伴う異常、などなどあげればきりがありません。 いずれの症状でも下記のような様々なステージの状態が考えられ、おそらく皆下記のどこかに入るでしょう。それをご家族(飼い主)からのお話と、動物の状態を評価することで判断していきます。
- 病気ではないが何らかの原因で軽い症状が出ているだけのもの
- 軽い病気で治るもの
- 軽い病気だが治らないもの
- 治らない軽い病気だが治療を継続すれば管理できる可能性があるもの
- 症状は軽いが重い病気がかくれているもの
- 重い病気であるが治療で治る可能性があるもの
- 重い病気でありかつ治らないもの
- 治らない重い病気だが治療を継続すれば管理できる可能性があるもの
- 死が約束された状態の非常に重い病気であるが治療により延命と生活の質向上の可能性があるもの
- 死が約束された状態の非常に重い病気でしかも治療の手立てがないもの
人間でも同じですが、軽い症状なのに重い病気の存在が発覚することもあるでしょう。 逆に重い症状だと思っていたのに結果的に軽い病気だったということもあるでしょう。無症状なのに検査で病気がわかるものもあれば、症状が進んではじめて病気がわかることもあるでしょう。また症状がすすみ、検査を重ねても確定診断がえられないものもなかにはあるでしょう。 生体(動物も、人間も)は機械ではありませんので、一筋縄にはいきません。 また獣医療においては、この近年でかなり進歩したとはいえ、まだまだ人医療に比較すれば制限も多く、限界を感じざるを得ません。 獣医療では、患者本人はしゃべりませんので、ご家族(飼い主)の協力が必要不可欠です。検査をどこまでするのか、治療をどこまでするのか、そういった方針も、動物側の条件(年齢、見通し、性格など)やご家族側(飼い主)の条件(思想、経済状況、性格など)によっても選択することは違ってくるでしょう。 そして例え結果がショックな内容でも、それらを冷静に受け入れ、責任をもって対応いただかなくてはなりません。 ご家族(飼い主)が冷静でなければ、動物に不安を与えることとなり、動物がかわいそうだからです。 獣医療従事者は必要と思われることを提案し、選択権はご家族(飼い主)にあります。任せきりはいけません。ご家族(飼い主)は選択する検査や治療にはご理解と責任をもって対応していただく必要があるでしょう。
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